沖縄で漫湖という干潟がありました。
ギョッとしつつも大興奮の私(精神年齢小4)
冷静になってふと、女性器を示す言葉の特異性とか異質性を感じたのです。
ただただ女性器そのものを示す呼び方ができたらいいなという話です。
事の発端は漫湖 in 那覇
先日、一人で沖縄へ行きました。
帰りに那覇空港行きのバスに乗りこみ、ボーっと景色を眺めていると、こんな道案内の看板が目に飛び込んできました。
!!!!????
文字が目に飛び込み、脳が認識するまで3秒ぐらいかかった。
え?これなんて読む?
まさかね、いやそんなまさか・・・。
そんなまさかー!!!
看板をカメラに収めたかったが、脳が認識する頃には非情にもバスは発進。
写真は撮れず。
慌ててネット検索。
私がみたものは幻ではなかったと確信。
ていうかWetland(湿地)って・・・。(汗)
興奮冷めやらず、この発見を誰かに伝えなければという使命感に駆られた私。
HPのスクショを撮って、女・男友達それぞれ2名にLINEで送信。
女子の反応は、「何それ!」「爆笑!」など初々しい反応。
しかし男性陣はというと、お二方ともすでに漫湖の存在をご存知であった・・・。
さすがである。
新卒から10年以上、男性社員がほとんどの体育会系気質が残る会社で働いてきた私は、「能力的に女性が男性に劣ることは決してない」という気概を元に突っ走ってきた。
しかし残念ながら、こと性についての瑣末な知識に関しては、男性の方が女性より2歩も3歩も進んでいるという事実を認めざるを得ない。
ちなみにちょこっとググったところ、沖縄の方は女性器のことを、方言で「ホーミー」と呼ぶのが主流で漫湖には抵抗がないそうです。
※真偽のほどは不明
ホーミーというのは、漢字で宝味と書くそうな。
その昔、「ホーミー」という車が日産から販売されていましたが、沖縄に限ってはこうした事情から販売されなかったそうな。
漫湖という言葉の特異性
ところで、ここでふと疑問に思ったのが、「漫湖」って口に出すのに、ものすごく抵抗感を感じるのは何故なんだろう。
※平仮名で書くと、なんかあまりにもアレなのでそのままで漢字を拝借します。
女同士の会話でも「漫湖」と発音している人はまず見かけない。
大体「アソコ」とか「下」とかぼかしたような言い方をしている。
一方で「珍湖」はどうだろう。
※こちらも合わせて漢字にしてみました。
私には息子がいるので、トイレでの用足しや体を洗うのを教える過程で、このワードは避けて通れません。
しかし「珍湖」とは言わずに、「お珍珍」と呼んでますね。
では女児のいる家庭では、どうしているのだろう?
「お漫漫」なんて呼んでる人は聞いたことはない。
「お股」とかでしょうか。
うーん、でも「お股」って男女どちらにも当てはまるし、範囲が広いような気がする。
男性器には子供にも使える専用の呼称があるのに、女性器にはない・浸透していないのは、おかしくないでしょうか。
思い出したのは田房永子さん
漫画家 田房永子さんの著書「ママだって人間」では、「まんこの洗い方問題」というテーマでこの事について触れています。
「ママだって人間」
著者:田房 永子
出版社: 河出書房新社 (2014/3/14)
※妊娠、出産、育児を、田房さんならではの切り口で追及する一冊。
経産婦のみならず、全人類におすすめしたい。私は視界が180度変わりました。
「まんこの洗い方問題」をかいつまんで説明すると、
田房さんの娘さんの生後1か月検診の際、小児科医から胎脂("たいし"、新生児の皮膚を覆うクリーム状の脂)で女性器が閉じ始めていると注意を受ける。
(完全に閉じると手術で切開する必要があるそうです。)
小児科医からしっかり泡をつけて指で洗うよう指導を受ける田房さん。
細かく育児指導を受けられる産院や両親学級でも、なぜか女性器の洗い方に限ってはノータッチ、むしろタブー化している事に違和感を覚えたというお話でした。
(完全に閉じると手術で切開する必要があるそうです。)
小児科医からしっかり泡をつけて指で洗うよう指導を受ける田房さん。
細かく育児指導を受けられる産院や両親学級でも、なぜか女性器の洗い方に限ってはノータッチ、むしろタブー化している事に違和感を覚えたというお話でした。
タブー化を破るには?
”タブー化”、とてもしっくりきました。
コミカル、卑猥な側面もありつつも、「珍湖」や「お珍珍」は男性器の直接的な呼び方として確立されているのに対し、「漫湖」は女性器そのもの以前に、卑猥でじっとりしたイメージが先行している気がします。
仮に私に娘がいても、娘の性器を「漫湖」と呼ぶのは抵抗を感じると思います。
思うに「珍湖」も「漫湖」は男性目線、男性主導でできた言葉ではないでしょうか。
男性側からすると、「珍湖」は自分の身体の部位だから単なる呼び方として受け入れられる。
一方で「漫湖」は自分には無い。
「漫湖」と接触するのは性行為中だけ。
そのため女性器そのものの意味と同時に、性行為というイメージを含んでいるのではないかと思うのです。
「まんこの洗い方問題」で田房さんは、タブー化の原因は、呼び方も統一されていないことが1つの原因だとし、
「病院や保健センターが呼び方を統一するべきだと思う!」と書かれていました。
私もそれには賛成。
そしてそれに加えて、ぜひ自身の身体の一部として、女性主導で呼び方を考えてほしい!と思います。
最後に
考えてみればけっこう奥が深い「漫湖」という言葉。
日本以外の国ではどうなんだろ?と思い、ネットで調べてみたのですが、出てきたのはスラングばかりで、詳しく分かりませんでした・・・。
アメリカ映画では、女性間でも「vagina」(ヴァジャイナと発音します)という言葉が割とカジュアルに使われている印象があります。
しかしイギリスは「down below」(下の方)なんて言い方をするようで、日本の「アソコ」に通じるものがあります。
女性自身、奥ゆかしさ・清純さなどを尊重し「女性器」を濁して言う風潮になったのは理解できます。
でも濁したり、隠したりするほど、恥ずかしいものとしてタブー化していってしまいます。
ただの身体の一部に過ぎないのに、それって不便すぎやしませんか。
身体の一部である以上、トラブルが発生する可能性も大いにあるわけで、、、。
私はそういうときに、病院で「3日前から、胃の調子が悪くて・・・。」と伝えるのと同じテンションで漫湖の不調を伝えたい。
いちいち呼び方について気を揉みたくないのです。
女性器のみを表すカジュアルな呼び方がほしい、そしてそれは持っている女性たちが関わって考えるのがよいと思ったのでした。