「男尊女子」という本を読みました。
女性自身が持つ男女差別意識に焦点をあてた本です。
その中で、妻から夫に対する呼び方について触れられていました。
そこで「夫」呼びする私が無意識にキャラ作りしている事に気付きました。
本「男尊女子」について
酒井順子さん著書の「男尊女子」という本を読みました。
男尊女子=男性を上に見る女性という意味の著者の造語です。
男女平等を進める日本で、今もなお根強く残る「男尊女卑」。
男が責められがちだが、女が持つ男尊女卑志向も原因では?という視点で、女性自身が持つ男女差別意識について書かれています。
気の強そうな話し方の女性議員にちょっと引いてしまったり、
誰に言われたわけでもないのに他人のために率先してエレベーターを押してあげたり、
堤真一に「がんばってるな」と頭を撫でられるのを妄想したり、
この本を読んで、共働きで男女平等社会に生きているはずの私の中の「男尊女子」を自覚しました。
ちなみに著書である酒井順子さんは、1966年生まれの現在53歳。
著書の中では「30代ではまた自分と違った感覚を持っていると思う」と書かれていましたが、30代の私でも共感できる内容が多数ありました。
女性タレントブログでの夫に対する呼び方
本の中で著者は、アメーバブログ内の女性タレントの夫の呼び方をまとめ、その傾向に触れています。
以下は、 そのまま本からの引用です。
「主人」
西田ひかる、三浦りさ子、東尾理子、渡辺美奈代、堀ちえみ、中澤裕子、保田圭、安めぐみ、安達祐実、安田美沙子
「夫」
里田まい、ギャル曾根、くわばたりえ、とよた真帆
「旦那さん/ダンナさん」
キンタロー、絢香、相田翔子、吉澤ひとみ、小原正子、辺見えみり、藤本美貴
「パパ」
北斗晶、神田うの、野田聖子、アグネス・チャン
「名前」
松本伊代(「ヒロミさん」)、青田典子(「玉置浩二」)
「彼」
吉川ひなの
この結果に対して酒井さんは、
『「主人」と呼ぶ人が意外と多い傾向はある』
『若い人でも「主人」派は意外に多い』
と書かれています。
さらに夫を「主人」と呼ぶ女性タレントさんたちに対して、
『個人の資質を生かすというよりは、結婚している事、子供がいることなど、「家族持ちである」ということをセールスポイントとしている人が多い』
『保守的な家庭観を持ち、そのことを皆に知ってもらいたいと思っている人』
という傾向を感じると書かれていました。
なるほど~。
女性タレントにとって、商品としての自分のイメージ作りのためブログは重要な要素なはず。
いわゆる「ママタレ」を目指す人は主人呼びがいいのでしょう。
夫呼びのくわばたりえさんは、子育てに関するテレビにもよく出られていますが、お笑い番組でも見かけるし、やはり本業は芸人という意思の表れなのかなぁ。
呼び方がもたらすイメージ
ここで私の勝手のそれぞれのイメージを整理すると、
主人 | 妻より夫の方が強い感じ |
旦那さん | 主人呼びの若い人バージョン |
夫 | 夫と妻は対等 |
旦那 | 妻の方が強い |
という感じでしょうか。
上に行くほど夫>妻のイメージです。
「旦那さん/ダンナさん」は、「主人」のカジュアルバージョンじゃないかな、と思います。
「主人」はかしこまった感じがするから、もっとカジュアルに親しみやすく、でも尊敬の意味をこめて「さん」を付けた結果が「旦那さん/ダンナさん」というのが私の感覚。
ブログとリアルでは使い分けている私
とここまで考えて、いざ自分に置き換えてみると、そんなにシンプルなものではないとも思ってきました。
私はブログでは「夫」呼び。
でも実際に夫と妻の関係を考えて、イメージ図に当てはめると、実際は「ダンナ」呼びが正当なのではないかと思います(色んな意味で主導権を私が持っている気がしますフフ)
でもなぜか「ダンナ」呼びには抵抗がある。
なぜか?
「ダンナ」だと、やせ細った男の人の上にデーンとどでかいお尻を乗せたパンチパーマの太ったオバさんの構図、いわゆるかかあ天下が浮かびます。
思うにブログをご覧頂いている皆さんにかかあ天下でない、夫とは対等な自分をアピールしたいのだと思います。
一方で、リアルの女子会では、普通に「ダンナ」呼びをしているんですよね。
女子会、それは夫・彼氏の愚痴を肴に、酒とおいしい食事(重要)を堪能する会。
この会においては、時に状況以上に夫・彼氏をこき下ろすことが盛り上げ要素となり、場の雰囲気を察して無意識に「ダンナ」呼びしている私がいます。
タレントでもない一般人の私でも、配偶者の呼び方によりキャラ作りしていることに気付きました。
最後に
たかが呼び方、されど呼び方。
逆に夫の妻に対する呼び方は、「妻」「奥さん」「嫁」、まれなケースで「相方」とか?
ここにも色々思いがこめられていそうですね。
英語だとhusband、wifeで済むのに、日本語は呼び方一つでイメージがけっこう変わってくる気がします。
やっぱり日本語ってめんどくさい。
でもおもしろいな~と思ったのでした。
『男尊女子』
酒井順子 著
集英社出版 (2017/5/26)